広告枠を募集中 ご相談ください

HuggingChatでデータ共有・会話履歴の保持・Hugging Face APIトークンを設定する方法

365Finds Editorial
Wiki 記事 11,430 本収録

あなたの AI で 365 Wiki を使う

下のプロンプトをコピーして、普段使っている AI に貼り付け、そのまま質問してください。

完全版 Skill をダウンロード

まずはプロンプトでお試しください。よく使う場合は完全版 365Wiki Skill をインストールすると、毎回貼り付ける必要がありません。普段使う AI がなければ、Gemini や Microsoft Copilot のウェブ版でも使えます。

プライバシーやコンプライアンスを重視するユーザーやエンジニアにとって、HuggingChatは商用のクローズドAIチャットに代わる極めて魅力的な選択肢です。オープンソースのchat-uiエンジンを基盤とするHuggingChat(huggingface.co/chat)は、「プライバシー・バイ・デザイン(設計段階からのプライバシー保護)」を掲げており、デフォルト設定においてユーザーの会話データをモデル開発元に提供してモデル学習に利用したり、広告目的で追跡・売却したりすることはありません。

日常的なリサーチで機密性を確保したい場合でも、チーム向けに完全プライベートなチャット環境を構築したい場合でも、データ共有ポリシー、会話履歴の保持期間、そしてHugging FaceのAPIトークン(User Access Tokens)の設定手順を正しく理解することは、プロンプトの安全確保と制限付きモデル(Gated Models)の円滑な利用に不可欠です。


1. データ共有ポリシーとプライバシー構造

HuggingChatのプライバシー保護を正しく評価するには、公式Webインターフェースとセルフホスト(自己ホスト型)環境の2つの形態を区別する必要があります。

デフォルトのプライバシー基準

Hugging Faceは、HuggingChatにおけるデータ取り扱いについて以下の明確な基準を定めています:

データ共有トグルの制御

オープンソース版のchat-uiを独自デプロイする場合、環境変数PUBLIC_APP_DATA_SHARING=1を設定することで、設定画面内に「モデル作成者とデータを共有する」オプトイントグルを表示できます。この変数が未設定または0の場合、外部への共有機能は完全に無効化され、すべての会話データはセッション表示と自前のデータベース内に厳格に限定されます。

Web検索プラグイン使用時のプライバシー留意点

HuggingChatの入力欄には、リアルタイム情報を取り込むための「Web検索(Web Search)」機能が用意されています。この機能を有効にすると、プロンプトから検索キーワードが抽出され、外部の検索API(SerperやExaなど)へリクエストが送信されます。入力内容に社内ドメイン、未公開のプロジェクト名、機密ソースコードなどが含まれる場合は、プロンプト送信前に必ずWeb検索をオフにして、機密文字列が検索エンジン側に送信されるのを防止してください。

公開共有リンク(Share)の取り扱い

HuggingChatには会話スナップショットを公開URLとして発行する「Share」機能があります。一度発行されたURLは公衆インターネットから閲覧可能になります。機密情報を扱う組織では、原則として共有リンクの生成を禁止すべきです。誤って共有リンクを作成してしまった場合は、左パネルから元の会話履歴を削除することで、公開スナップショットも無効化されます。


2. 会話履歴の保持期間と完全削除の手順

HuggingChatは、アカウント不要のゲスト利用からデータベース上の物理削除まで、柔軟なライフサイクル管理を提供しています。

ゲストモード(アカウント不要・完全匿名セッション)

Hugging Faceアカウントにログインせず、ゲストとして直接チャットを利用することができます:

個別の会話履歴の削除

アカウントにログインしている場合、過去のチャット履歴は画面左側のサイドバーに一覧表示されます:

  1. 削除したいチャットのタイトルにマウスカーソルを合わせます。
  2. 表示される三点リーダー(...)またはゴミ箱アイコンをクリックします。
  3. 削除の確認ダイアログで実行を承認します。

HuggingChatのバックエンドでは**物理削除(ハードデリート)**が実行され、対象のドキュメントはMongoDBから直ちに完全消去されます。論理削除や30日間のゴミ箱保持期間などは存在しません。

会話履歴の一括完全削除

アカウントに蓄積されたすべての会話ログを一度に消去する場合:

  1. 画面左下の歯車アイコン(Settings)をクリックします。
  2. データ管理項目(Data Controlsなど)を開きます。
  3. Delete all conversations(すべての会話を削除)を選択し、確認します。

これにより、ユーザーIDに紐付く全会話履歴、ツール実行ログ、カスタム設定がデータベースから即座に一括抹消されます。


3. Hugging Face APIトークンの設定と制限付きモデルの利用

APIトークンを適切に活用することで、Hugging Face Hub上の制限付き(Gated)モデルの利用や、セルフホスト環境における安全なMCP(Model Context Protocol)ツール連携が可能になります。

Web画面上で制限付きモデル(Gated Models)をアンロックする

MetaのLlama 3シリーズなど、主要なオープンウェイトモデルの多くはHugging Face Hub上で「Gated Model(承認制モデル)」として管理されています:

  1. Hugging Faceのアカウントにログインします。
  2. 当該モデルのリポジトリページ(例:meta-llama/Meta-Llama-3-70B-Instruct)にアクセスします。
  3. 利用規約への同意フォームを送信し、モデル利用の承認を受けます。
  4. HuggingChatに戻ります。アカウントのログイン状態が連携しているため、特別なAPIキーを入力することなく、モデル選択メニューから対象モデルを即座に利用できるようになります。

MCPサーバーへのユーザートークン転送(Token Forwarding)

HuggingChatは外部ツールと連携するMCP(Model Context Protocol)に対応しています:

  1. Settings内のMCP Serversを開きます。
  2. 接続したいMCPサーバーのエンドポイントURLを登録します。
  3. 組織内の高度なワークフローでは、MCP_FORWARD_HF_USER_TOKEN=trueを設定することで、ログインユーザーのHugging Face認証トークンを許可されたMCPサーバーに安全に中継できます。これにより、サーバー側に管理者キーを平文で置くことなく、ユーザー固有のプライベートデータセットやリポジトリに安全にアクセスできます。

自社環境でchat-uiをセルフホストする際の設定手順

最大のプライバシーとネットワーク隔離を求めるエンジニアは、オープンソースのchat-uiを用いて専用のプライベートインスタンスを立ち上げることができます:

ステップ1:最小権限のAccess Tokenを発行

  1. Hugging Face Settings > Access Tokensを開きます。
  2. Create new tokenをクリックします。
  3. 権限タイプとして必ずRead(または特定リポジトリの推論のみを許可するFine-grainedトークン)を選択します。WriteやAdmin権限を持つトークンをチャットフロントエンドに設定してはいけません。
  4. 発行されたhf_で始まる文字列をコピーします。

ステップ2:.env.localファイルの構成

プロジェクトルートで環境変数を設定します:

# 推論プロバイダールーターのエンドポイント
OPENAI_BASE_URL=https://router.huggingface.co/v1

# モデル推論用の認証キー(発行したReadトークンを指定)
OPENAI_API_KEY=hf_your_read_token_here

# OpenID連携時、各ログインユーザー固有のトークンで推論を実行する設定
USE_USER_TOKEN=true

# 会話履歴を完全に自社管理するためのMongoDB接続文字列
MONGODB_URL=mongodb://localhost:27017
MONGODB_DB_NAME=chat-ui-private

# 外部へのデータ共有機能を完全に停止
PUBLIC_APP_DATA_SHARING=0

ステップ3:サーバーの起動

docker run -d -p 27017:27017 --name mongo-chatui mongo:latest
npm install
npm run dev

4. プライバシーレベルと構成別の比較

運用シナリオプライバシー強度データ保持仕様必要なHugging Faceトークン主な推奨用途
ゲストWeb利用高(完全匿名)ブラウザのCookieのみ。タブを閉じれば消滅不要単発の機密質問、アカウントログを残したくない調査
ログインWeb利用中(利便性と両立)クラウドMongoDBに永続化。手動の個別・一括削除に対応不要(アカウント認証で自動認識)端末間で履歴を同期したい日常業務・学習
制限付きモデル利用中(規約順守)クラウドMongoDBに永続化。モデル利用規約に準拠モデルリポジトリでの利用許諾が必要Llama 3などの最先端オープンモデルの検証
自社ホスト型 chat-ui最高(完全隔離対応)自社DBで完全管理。TTLによる自動破棄設定が可能読み取り専用hf_トークンまたはローカル推論社外秘データ、金融・医療などの厳格なコンプライアンス要件

5. プライバシー保護を最大化するためのベストプラクティス

  1. 制限付きモデルの利用規約を確認する: Gated Modelの利用承諾はモデル作成企業との法的な同意です。社内の重要機密を送信する前に、規約の取り扱い範囲を確認してください。
  2. 読み取り専用トークンを徹底する: HF_TOKENやOPENAI_API_KEYには必ずRead権限のみを付与し、万一の漏洩時にもアカウント資産への不正アクセスを防ぎます。
  3. MongoDBのTTLインデックスで自動廃棄を実装する: 自社ホスト環境では、conversationsコレクションにTTL(Time-To-Live)インデックスを設定し、14日または30日経過後に自動削除される仕組みを整えます。
  4. 機密プロンプト入力時はWeb検索をオフにする: ソースコードや個人情報、未公開資料を扱うセッションでは、検索クエリの漏洩を防ぐためWeb検索を必ず無効化してください。

参考資料